私たちの暮らしに身近なプラズマですが、どのような状態なのかわからない方も多いはずです。そこで今回は、プラズマの特徴をわかりやすく解説します。半導体の製造におけるプラズマの活用事例も紹介するため、最後までチェックしましょう。
プラズマとは
プラズマは物質の第4と呼ばれる状態です。通常、物質は温度が上昇すると、固体から液体、液体から気体へと状態が変化します。熱や電気エネルギーが加わると気体が原子になり、さらに温度が上がると原子核の軌道から原子が自由になります。これが、物質の第4と呼ばれるプラズマの状態です。自然界にあるプラズマには、太陽や雷などがあります。
プラズマの主な特徴
マイナスイオンとプラスイオンが飛び交うプラズマは不安定な状態であるものの、さまざまな特徴があります。ここからは、プラズマの主な特徴を確認していきましょう。
光を放射する
基底状態電子にエネルギーが加わると、励起状態に戻ろうとします。この励起状態に戻ろうとするときに不要なエネルギーが放出されます。
反応性が高い
プラズマは不安定な状態ではあるものの、化学変化を起こしやすい特徴があります。ほかの原子や分子と反応して安定した状態に戻るのです。
導電性がある
プラズマは自由電子を含んでいるため、導電性があるという特徴があります。導電性とは、電気が流れやすい性質のことです。プラズマの一種であるロウソクの炎に電圧をかけると電気が流れます。
プラズマの活用事例
自然界でも見られるプラズマは、半導体の製造でも活用されています。ここからは、プラズマの活用事例を確認しましょう。
プラズマCVD
ガラス基板など耐熱性の低い基板上に薄膜を形成させるための方法です。薄膜を形成させることから、プラズマ励起化学気相成膜とも呼ばれます。従来活用されていた熱処理製法に比べると、低い温度で薄膜を作れる特徴があります。加熱装置を使用しないため、複雑な形状をした基板にも対応可能です。
プラズマクリーニング
基板表面に付着した有機物をプラズマで洗浄する技術です。プラズマクリーニングは、水や洗浄液を使用せずにドライ洗浄できる特徴があります。基板上の汚れを残さない高いレベルの洗浄効果が期待できるのも魅力です。半導体の製造工程では、親水性を持たせるためにPDMS表面に使われています。
まとめ
プラズマは物質の第4と呼ばれる状態です。マイナスイオンとプラスイオンが飛び交う不安定な状態であるものの、光を放射したり反応性や導電性が高かったりなどさまざまな特徴があります。そんなプラズマは半導体の製造工程でも使われており、あらゆる場面で活用されているのも特徴です。
参考:
http://www.sekisui-semi.jp/plasma/