精密な電子機器を使用するとき、直流安定化電源が必要になります。しかし、どのように直流安定化電源を選べばいいか悩む方もいるはずです。今回は、直流安定化電源の概要や選定ポイントを解説します。直流安定化電源で起こり得る不具合も紹介するので、最後までチェックしましょう。
直流安定化電源とは?
直流安定化電源は、安定的に直流電流を供給する装置です。電子機器の作動には直流電流が必要不可欠なので、供給されている交流電流を直流電流に変換しなければいけません。そこで必要になるのが、直流安定化電源です。
また、掃除機や扇風機など簡単な構造の家電製品であれば、供給電圧が変動しても問題は起こりません。しかし、精密な電子機器は、少しの電圧変化でも誤作動を発生する可能性があります。このようなリスクを回避できるのが、直流安定化電源です。
直流安定化電源を選ぶ2つのポイント
直流安定化電源にはさまざまな種類があるので、ポイントを踏まえて選ぶ必要があります。特に押さえるべきポイントは、出力範囲と回路方式です。
1.出力範囲で選ぶ
直流安定化電源には、ワイドレンジ方式とシングルレンジ方式があります。ワイドレンジ方式は、出力電圧と電流の組み合わせが、定格電圧・定格電流・消費電力で決まる電源です。
シングルレンジ方式は、定格電圧・定格電流で決まる電源のことです。同じ消費電力で選ぶのであれば、費用を安く抑えられるシングルレンジ方式を選ぶのがおすすめです。
2.回路方式で選ぶ
直流安定化電源には、スイッチング方式とドロッパ方式があります。スイッチング方式は直流に変換した電流を高周波の交流電流に変換し、再び直流に変換して電圧や電流を制御する方式をいいます。
ノイズの影響を受けやすい電子機器は、ドロッパ方式が適しています。ドロッパ方式は、交流電流を直流に変換したあとに変圧器で電圧や電流を制御して送り出す回路方式です。
直流安定化電源で起こり得る不具合
通電時にうまく立ち上がらないときは、過電流保護が動いている可能性があります。過電流保護とは、出力電流が想定以上に大きい場合に出力を停止する機能のことです。直流安定化電源の容量を見直し、不具合が改善されるか確認しましょう。
まとめ
直流安定化電源は、コンセントの電源から安定的に直流電流を供給できます。電子機器を使用するには直流電流が必要になるため、直流安定化電源で交流電流から直流電流に変換することが必要です。ただし、直流安定化電源の回路方式と出力範囲には複数の種類があるので適したものを選びましょう。
参考: