電気の流れやすさに大きく影響するのが、電気抵抗です。電気抵抗を受けると流れにくくなるため、抵抗器で抵抗を持たせます。ただ抵抗器はいくつか種類があるため、違いを理解して適切なものを選ぶことが大切です。今回は、電気抵抗の概要や抵抗器の種類を確認していきましょう。
電気抵抗とは
電気抵抗は電気の流れにくい状態を表しており、単位はオーム(Ω)が使用されます。電流は抵抗が大きくなると流れにくい性質があり、流れやすくするには電気抵抗を抑えることが必要です。電気抵抗は温度に伴って変化し、金属は温度が高くなればなるほど電気抵抗が高くなります。逆に、半導体は温度が高くなるほど電気抵抗が低くなるのが特徴です。
抵抗器の種類
電気を流れにくくするために使用される電子部品が、抵抗器です。流れる電気量の制限や調整して電子回路を適正に動作させる役割があります。そんな抵抗器には、さまざまな種類があります。ここでは、電子工作で使われる抵抗器を紹介します。
1.炭素皮膜抵抗器
もっとも一般的な抵抗器は、炭素皮膜抵抗器(カーボン抵抗器)です。抵抗体の表面には炭素コーティングが施されています。炭素皮膜抵抗器の内側には螺旋状の溝があり、この溝によって抵抗値を調整するのが特徴です。ただし、温度が上がると抵抗値が下がるといった懸念点があります。
2.金属皮膜抵抗器
表面を金属コーティングした抵抗器が、金属皮膜抵抗器です。炭素皮膜抵抗器と比較すると、温度係数が小さく雑音も少なくなります。少し高価格になりますが、比較的精度が高い抵抗器です。アナログ回路や計測器などによく使われています。
3.固体抵抗器
抵抗値が固定されて可変できない抵抗器が、固体抵抗器です。耐パルス性や耐熱性に優れており、電流雑音が小さいといった特徴があります。ただし比較的精度が低く高額であるため、近年では炭素皮膜抵抗器が選ばれる場面も少なくありません。
4.巻線抵抗器
磁器材料に抵抗線を巻きつけた抵抗器が、巻線抵抗器です。温度係数が小さく耐熱性が良いといった特徴があります。ただし巻きつける構造上インダクタンス成分を持ち、高周波特性がよくありません。また、抵抗値が高いものに関しては高価になります。
まとめ
電気抵抗とは、電気が流れにくい状態のことです。抵抗を受けると電気が流れにくくなるため、電気抵抗を抑える必要があります。また、電気を流れにくくするために使われる電子部品に抵抗器があります。電気抵抗にはさまざまな種類があるため、違いを理解して適切なものを選ぶことが大切です。
参考: