コンセントから供給される電源は交流電圧です。電子機器は直流電圧で動作するため、交流から直流に変換する必要があります。そこで必要になるのが、電源装置です。今回は、電源装置の概要や身近で使われる電源、種類を解説します。
電源装置とは
発電所から供給される交流電圧を直流変換させる機器が、電源装置です。冷蔵庫やテレビなど多くの電子機器は、直流電圧で動作します。交流電圧では動作しないため、電源装置で交流電圧に変換させることが必要です。電源装置には、ACアダプターやAC/DC電源、スイッチング電源などがあります。
ACアダプター
パソコンやスマートフォンの充電器に使用される。決められた電圧を供給するため、電子機器に応じた専用のACアダプターが使われる。
AC/DC電源
交流電圧から直流電圧に変換する電源装置の総称である。ACは交流電圧、DCは直流電圧を指し、ACアダプターもAC/DC電源に含まれる。
スイッチング電源
交流電圧から直流電圧に変換するために使用される。スイッチング方式が採用されており、スイッチング素子によって電力の変換や調整を行える。
電源装置の種類
電源装置は、大きく高圧電源・直流安定化電源・交流安定化電源に分類されます。使用用途も異なるため、それぞれの違いを確認していきましょう。
高圧電源
電源装置の中でも高電圧を発生させる装置です。電気設備技術基準では、高電圧は交流電圧が600ボルト、直流電圧は750ボルト以上を高電圧と定義されています。一般的な電気機器は低電圧であるため、高圧電源は日常的な場面で必要ありません。しかし高電圧が必要な機器を使用する場合は、高電圧に変換させる高圧電源が必要になります。
直流安定化電源
コンセントから供給される交流電圧を直流電圧に変換する装置です。電子機器を動作させるときに直流安定化電源が使われます。直流安定化電源は、定電圧電源と定電流電源と呼ばれる出力方法によって分類されます。定電圧電源は出力電圧が一定になるように制御され、定電流電源は出力電流が一定になるように制御されるものです。
交流安定化電源
コンセントから供給されるのは交流電圧です。しかし、必ずしも一定した交流電圧が供給されるわけではありません。交流電圧の変動はそこまで大きくないので、一般家庭で使用する電化製品であれば問題なく使用できます。ただ精密機器を使用する場合は、電圧変動により誤作動を起こす可能性があります。そこで必要になるのが、交流安定化電源です。
まとめ
発電所から各家庭に供給されるのは交流電圧です。しかし多くの家電製品は直流電圧で動作するため、交流から直流に電圧を変換する必要があります。ただ電源装置は電圧を変えるだけでなく、安定的に交流電圧を発生させたり高電圧を起こしたりする際にも電源装置が使用されます。状況に応じて電源装置を使い分けることが必要です。
参考: