高電圧を測るとき、通常の計測器を使用してしまうと故障する可能性があります。場合によっては、放電や感電が発生するおそれもあるため、高電圧は安全な方法で計測することが大切です。今回は、高電圧の定義や安全な測り方を解説します。
高電圧の定義
電気設備技術基準で定義されている高電圧は、直流で「750V~7000V」、交流で「600V~7000V」の範囲内の電圧です。高電圧を測定するとき、通常の測定器で測ることはできません。通常の測定器を使用して測定すると故障だけでなく、放電や感電といった危険性もあります。高電圧を測るときは細心の注意を払って計測することが必要です。
高電圧の測り方4選
高電圧を測る方法はいくつかあるため、それぞれの特徴を理解することが大切です。ここでは、高電圧の測り方を確認していきましょう。
1.交流電圧を測れる「分圧器」
直流電圧を測るときに使われるのが分圧器です。分圧回路が内蔵されたケースに入力用端子と測定用端子が搭載されています。基本的には直流電圧で使われますが、電力会社から供給される周波数であれば、交流電圧の測定をおこなうことが可能です。
2.電圧計に直列に接続する「倍率器」
電圧計の測定範囲を拡大するため、電圧計に直列に接続する抵抗器です。分圧器と同じ構造ですが、倍率器は交流電圧を計測することはできません。直流電圧だけでなく、交流電圧も測定したい場合は一部の周波数帯に対応する分圧器がおすすめです。
3.変圧器と同じ構造「計器用変圧器」
高電圧を測定しやすい電圧に変換できる機器です。基本的な構造は変圧器と同じですが、指示電気計器や電力量計、保護継電器などほかの機器と合わせて使われます。組み合わせ方によっては数値に誤差が生まれるため、注意することが必要です。
4.静電気を測れる「静電気測定器」
高電圧の電気には静電気があります。静電気はプローブが接触すると正確に測定できないため、非接触の測定器を使うことが必要です。静電気を測定できるのが、静電気測定器になります。計測時にほかの計測器は必要なく、単体で測れるのが特徴です。
まとめ
高電圧は、通常の計測器は使えません。故障するだけでなく放電や感電といった危険性もあるため、高電圧を計測できる機器を使う必要があります。ここで紹介した高電圧を測れる機器を参考にして、適した方法で計測しましょう。
参考: