トランス(変圧器)とは?電圧変換以外の使用用途や種類を解説します

トランス(変圧器)とは?電圧変換以外の使用用途や種類を解説します

発電所から届けられた電気は、トランスで電圧を変換しないと使用することはできません。しかしトランスを使用する目的は電圧変換だけでなく、ほかにもさまざまな使用用途があります。そこで今回は、トランスの使用用途や種類を確認しましょう。

トランスとは

電圧を変換する基本的な部品が、トランスです。日本語では変圧器と呼ばれています。電気は発電所で作られ、電線を通して各建物に届けられます。ただ発電所で作られた電気は高い電圧であるため、それを家庭やビルで使えません。このような場面で必要になるのが、電圧を低くするトランスです。

トランスの使用用途

電圧を低くするトランスは、通常電圧を変換するために使用されます。ただ電圧を変換するだけでなく、さまざまな使い方があります。ここでは、トランスの使用用途を確認していきましょう。

回路間の絶縁

トランスは、直接導通せずに電気を流せる特性があります。このような特性を活かして、複数系統間の絶縁目的で使うことが可能です。この回路間の絶縁を「絶縁トランス」と呼びます。

始動電流の制御

始動電流とは、指導するときに一時的に電動機に流れる大きな電流のことです。トランスで減圧することで始動電流を制限できます。加速したあとに電圧を印加できれば、円滑に指導できます。

ノイズカット

変圧器は、ノイズを遮断する目的で使われます。ノイズが発生するのは、インバータやモータです。ノイズカットトランスといわれる変圧器で、使用すれば電子機器への影響を軽減できます。

トランスの種類

トランスといっても多くの種類がありますが、大きく構造・冷却媒体・冷却方式に分かれます。どのようなトランスがあるのか確認していきましょう。

構造

トランスを構造で分類すると、内鉄型と外鉄型があります。巻線の内側に鉄心がある内鉄型は、機械的ストレスに強く広く使用されているのが特徴です。外鉄型は巻線の外側に鉄心があり、内鉄型に比べると複雑な形状をしています。

冷却媒体

トランスを冷却媒体で分類すると、油入式と乾式に分かれます。油入式はタンク内に鉱油や合成絶縁油を封入し、冷却と同時に絶縁するトランスです。乾式は空気やガスを冷媒として使用します。一般的に、小型タイプのトランスに採用されています。

冷却方式

トランスを冷却方式で分けると、自冷式・水冷式・風冷式があります。自冷式は冷媒の自然対流で冷却し、水冷式は冷却水で放熱させ冷却する方式です。風冷式はファンで風を当てて冷却させます。

まとめ

発電所から送られる電気の電圧を変換させるために使われるのが、トランスです。トランスの使用用途は電圧変換だけでなく、回路間の絶縁や始動電流の制御などさまざまな用途で使われています。種類も複数あるため、適切なものを選ぶことが必要です。

参考:

https://www.matsusada.co.jp/column/transformer.html
https://engineer-education.com/transformer/
https://blog.rittal.jp/1117/
https://electric-facilities.jp/denki7/si/008.html
https://metoree.com/lists/1225/