燃料電池は、環境問題に配慮した発電装置として注目を集めています。しかし、どのような特徴があるのかわからない方もいるはずです。そこで今回は、燃料電池の特徴や種類を紹介します。
燃料電池とは
燃料電池は、水素と酸素を化学反応させて電気を発電させる装置です。電解液の中に水素ガスを送ると、水素イオンと電子に分離します。水素イオンはプラス電極へ移動すると同時に、電子もプラス電極に流れて電気が発生する仕組みです。発電時に二酸化炭素が発生しないため、環境問題に配慮できる発電装置として世界中から注目を集めています。
燃料電池の特徴
今大きな注目を集める燃料電池ですが、どのような特徴があるのか詳しく見ていきましょう。
二酸化炭素を排出しない
燃料電池の最大の特徴は、発電時に二酸化炭素が発生しないことが挙げられます。排出されるのは水だけなので、環境負荷を最小限に抑えられ、環境問題に配慮できる発電装置として注目されています。残念ながら日本では火力発電に頼っているため、二酸化炭素の排出量が多くなっているのが現状です。
発声音や振動音が発生しない
火力発電と比べると、発声音や振動音を抑えられるのも燃料電池の特徴です。火力発電はタービンや発電機などさまざまな機器が設置されているため、運転時に騒音が発生する場合があります。静かな環境を保つため騒音対策が実施されていますが、燃料電池の発電時に比べると音が発生してしまいます。
燃料電池の種類
燃料電池といっても多くの種類があります。ここでは、代表的な燃料電池を紹介します。
りん酸形燃料電池
電解質にリン酸水溶液を使用し、水素を燃料として発電を行う装置です。さまざまある燃料電池のなかでも比較的古くから存在しており、高い実績や信頼性のある電池として使用されています。ただし、白金触媒を使うため比較的高い費用がかかります。
固体高分子形燃料電池
燃料電池のなかでも高い注目を集めるのが、固体高分子形燃料電池です。電気効率が高いうえに、軽量かつコンパクトといった特徴があります。これらの特性を活かして燃料電池自動車や家庭用電源など身近な場面で使用されています。
溶融炭酸塩形燃料電池
高出力発電設備の代替として注目されているのが、溶融炭酸塩形燃料電池です。運転温度が600℃~700℃と高いため、複合発電による高効率化が期待できます。ほかの燃料電池と比較して装置の大きさも柔軟性があり、さまざまな規模感の発電設備に対応できるのも魅力です。
まとめ
燃料電池は、環境負荷を削減できる発電装置として注目を集めています。また、火力発電に比べると発声音や振動音も抑えられるのも燃料電池の特徴です。日本では火力発電に頼っていますが、環境問題に配慮できる燃料電池の導入も進んでいます。
参考: